臓器移植提供施設

臓器移植提供施設とは

グリーンリボン

脳死で臓器が提供できる施設は,『「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)』により,高度の医療を行う以下のいずれかに該当する施設であることとされています。

  • 大学附属病院
  • 日本救急医学会の指導医指定施設
  • 日本脳神経外科学会の基幹施設又は研修施設
  • 救命救急センターとして認定された施設
  • 日本小児総合医療施設協議会の会員施設

当院では,上記項目に該当することから臓器提供施設に指定されています。

臓器移植とは

臓器移植とは,生命を維持するために重要な役割を果たしている臓器(心臓や肝臓など)が,病気や事故によってほぼ(あるいは全く)機能しなくなった方に,他の方の健康な臓器を移植して機能を回復させる医療です。現在の移植医療には,大きく分けて臓器と組織の移植があります。

提供できる臓器・組織は

臓器提供意思表示カード(脳死及び心臓停止の場合)

提供できる臓器・組織には,亡くなった方からと生きている方からの二つの方法があります。
臓器移植法によって,亡くなった方からの提供を受ける場合,脳死下の場合は,心臓,肝臓,肺,小腸,腎臓,膵臓です。また,心停止下の場合は,腎臓,膵臓,眼球(角膜)です。角膜,皮膚,心臓弁,血管,耳小骨,気管,骨などの組織については,この法律で規定されていませんが,移植は可能です。
臓器の提供は,医師の判断,臓器提供する患者さんの意思,患者さんの家族の同意・善意があって初めて成り立ちます。組織の提供については,亡くなった後でも家族の承諾のみで可能です。

臓器提供

生きている家族からの提供を受ける場合,一番たくさん行われている腎臓と,例外的に日本で多く行われている肝臓,そして肺と膵臓があります。
腎臓移植は,人間は通常二つ持っており,一つでも生活に支障がないことから片方の腎臓を提供します。
肝臓移植は,部分的に切取り移植します。肝臓は再生作用が強く1年ほどで,支障のない大きさに戻ります。
肺移植は,肝臓と違い再生しないため,二人の提供者から少しづつ提供を受けます。膵臓も同様です。

組織提供

提供できる組織には,角膜,皮膚,心臓弁,血管,耳小骨,気管,骨などがあります。
角膜は,アイバンク登録により提供できます。
皮膚は,日本スキンバンクネットワークに保管され,広範囲熱傷(体表の30%以上に及ぶ大きな熱傷)患者さんの治療に使われます。
心臓弁は,人工の弁より移植後の結果が良好の場合が多いようです。
血管,耳小骨,気管,骨なども多くの方が必要としています。

その他,生きている時に提供できる組織に,骨髄液(骨髄移植)があります。献血で行う血液の提供も,輸血という移植の一種です。

移植手続きはどのように行われるのか

当院では,主治医が患者さんを脳死とされうる状態であると判断し,患者さんが臓器提供に関する意思表示カード,臓器提供に関する意思の有無を記載した運転免許証医療保険の被保険者証等(以下,「意思表示カード」という。)を所持している場合,患者さんの家族に臓器提供について同意を得てから,臓器移植ネットワークから移植コーディネーターを派遣してもらいます。
移植コーディネーターが臓器提供について説明し,家族の承諾が得られれば,法律に基づく脳死判定が行われます。2回の脳死判定を経て脳死が確定し,医学的にも臓器が移植に適すると判断されると,患者さんの死亡宣告をし,臓器提供が最終的に決定します。
それと並行してレシピエント(移植を受ける人)が登録患者さんの中から選ばれ,移植を行う各病院で準備に入ります。この病院の移植チームがドナー(臓器提供者)のいる病院に派遣され,臓器を摘出します。そして摘出された臓器は患者の待つ病院に運ばれ,移植手術が行われます。

脳死とは(脳死と植物状態の違い)

脳死の定義は,「脳幹を含む脳全体の機能の不可逆的な停止」です。
「「脳死した者の身体」とは,脳幹を含む全能の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定されるものの身体をいう。」(臓器移植法 第六条)とされています。

脳死とは,大脳と小脳だけではなく,呼吸などを調節している脳幹を含めて脳全体の機能が停止し,元には戻らない状態をいいます。現在の医学では治療方法はありません。
つまり,脳死になると自力呼吸ができないため人工呼吸をつけることとなります。また,心臓も場合によっては,人工心臓などの補助によって動かし続けることとなりますが,それも長くは続きません。加えて,痛みなどの刺激にも反応しなくなります。

植物状態とは,脳幹以外の機能がほとんど失われ,意識がない状態をいいます。ですから,自ら話したり,起きたりすることはできませんが,心臓は動いており,自力呼吸も可能な方が多いのです。回復する可能性もあります。

当院の実績

平成23年12月15日
脳死下臓器提供施行

腎臓移植を受けられた方からのお礼のお手紙

中学生から人工透析を受けて40年以上が経ちますが,この度腎臓のご提供を受け,術後の拒絶反応もなく,私の体の中で元気にしております。透析をする必要がなくなった事に対し,毎回トイレに行くたびに感謝しております。(一部抜粋)

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