成人Still病

成人Still病

概要

成人に高熱と皮疹を伴う慢性の関節炎を発症する原因不明の疾患で,多くは20〜30歳代の女性に発症します(男性の2倍程度)。発熱時に皮疹(サーモンピンクと呼ばれるようなピンク~赤色の皮疹),咽頭痛,筋痛を伴うことが多いです。関節炎は中・大関節(手・足・膝関節)に生じることが多く,全身のリンパ節腫脹や肝脾腫が出現します。血液検査では白血球増加やCRP陽性,赤沈亢進などの急性炎症反応や肝障害を呈するとともに血清フェリチン値の高値を認めます。感染症,悪性腫瘍,膠原病を除外できた場合に成人Still病と診断されます。時に播種性血管内凝固症候群(DIC),二次性血球貪食症候群,髄膜炎,成人呼吸窮迫症候群などの重篤な合併症を認めることもあります。

治療法

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されますが,多くの症例ではステロイド治療が必要となります。治療抵抗例ではシクロスポリンA(ネオーラル®,)やメトトレキサート(リウマトレックス®,)などの免疫抑制剤や,トシリズマブ(アクテムラ®)などの生物学的製剤(いずれも適応外使用)を併用します。