気管支喘息【呼吸器内科】

気管支喘息は,気管支における慢性のアレルギー性炎症の結果,気道が狭くなり,発作的に息苦しさや激しい咳(ぜんそく発作)を伴う病気です。ダニやハウスダストなどのアレルゲン(アレルギーのもととなる抗原)の他に,ペット(ネコ,ハムスターやモルモットなど)のアレルギーが原因となって発症することがあります。喘息患者さんの数は年々増加しています。しかし最近は吸入ステロイド薬の普及によって多くの患者さんの症状はコントロールされるようになり,喘息で亡くなる患者さんもかつては年間6000人程度であったものが,今は2000人程度まで減っています。しかし喘息という病気は完治が困難で,ステロイド吸入を中心とする治療を長期に続けていかなければなりません。この治療をおろそかにすると,呼吸困難発作を繰り返し,時に死に瀕する大発作につながる危険が高くなります。

当施設ではピークフローメーターという簡単な肺機能測定の器具をお貸しし,個々の患者さんに記録して頂きながら,吸入ステロイド治療を発症早期から積極的に導入します。吸入ステロイド薬は副作用が少なく,効果の高い薬がたくさんあります。また,吸入ステロイド薬だけでは十分に症状がとれない場合でも,追加する内服治療も何種類かあります。私たちは,患者さんの状況に応じてもっとも適切と考えられる薬をお渡しして治療を行います。特にご高齢の患者さんに対しては,使って頂く吸入薬の種類や,その使い方について十分に理解して頂くよう常に心がけています。しかし決して治療を漫然と続けるのではなく,定期的に症状や肺機能の評価を行い,安定していれば治療のステップダウン(薬の減量)をして,必要かつ十分な治療を行います。このようにして最小限必要な薬を決めてきちんと続けていけば,副作用もなく健康な人とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能になります。ですから安心して治療を継続して頂きたいと思っています。

喘息患者さんの中には,ステロイド吸入に加えて,他の内服治療や,特に副作用の強いステロイドの内服治療を行っても症状のコントロールが難しい方がおられます。当施設では,そうした重症の患者に対して,抗IgE抗体薬の注射を定期的に行って治療を行います。これによって患者さんの症状が改善し,特にステロイドの内服薬を減らせることも期待できるようになります。