お薬について

お薬の飲み方

1.お薬は水またはぬるま湯でのんでください。

錠剤・カプセルをヒートから必ず取り出して,コップ一杯(少なくてもコップ半分)くらいの水またはぬるま湯でのんで下さい。

お薬を水なしでのむと,お薬が喉や食道にくっついて,食道炎や潰瘍を起こす可能性があります。特にカプセルは,喉にくっつきやすいので,注意が必要です。寝ころがってのむと,お薬がのどにくっつく可能性が高くなるので,必ず上半身だけでも,起こしてのんでください。

またお薬を水でのむことによって,お薬が溶けて吸収しやすくなります。水の量が少ないとお薬の吸収が低下したり,溶けにくくなったりして,期待するお薬の効き目がでないことがあります。コップ1杯くらいが目安です。

2.「食後」とは

「食後」とは,食事をしてから約30分後のことをいいます。食事を終えて30分した瞬間,と思われるかもしれませんが,30分後くらいを「目安に」という意味で,厳密である必要はありません。ほとんどのお薬が多少ずれても大丈夫です。

食事をしてから30分くらい経つと,胃の中は,まだ食べたものが残っている状態で,食べたものを腸に送るために動いている状態です。そういった状態のときにお薬をのむと,お薬はゆっくりとしっかり吸収されて,胃の表面の粘膜を荒らすことも少ないのです。

のみ忘れるようでしたら,食事のすぐ後にのんでも結構です。1日3回飲むお薬であれば,食事を3回しなくても,3回をだいたい均等な時間をあけて,のんでください。都合の良い時間を決めてのんでもらって問題ありません。空腹のときは,できればなにか飲食をしてからの方がよいでしょう。

3.「食間」とは

「食間」とは,食事をしながらのむということではなく,『食事と食事の間』という意味で,食後2時間くらい経ったときをいいます。食後2時間頃には,胃の中は,食べたものがなくなり,食前のような空っぽに近い状態になります。胃の中でお薬が食事といっしょになると吸収が悪くなるものは,お薬をのむ前後にできるだけ食事にかからないときに,お薬をのむ必要があります。お薬をのみ,それから1時間以内は何も食べない方がよいお薬です。

食間の指示のお薬は少ないのですが,漢方薬のように吸収されにくく胃を荒らしにくい薬(漢方薬は食前でも,食間でも自分の飲みやすい方で良い)や,胃潰瘍の薬で胃粘膜を保護するお薬は,食間に飲むように指示されることがあります。

4.「食前」と「食直前」のちがいについて

「食前」とは,食事のおよそ30分前 をいいます。食前では,胃は空っぽの状態なので,お薬はすぐに腸に行き,速く吸収され,速く効果があらわれるのが一般的です。その代わりに胃の粘膜を刺激しやすく,胃潰瘍の原因になったりします。「食前」にのむ薬には,食べ物が胃にあるとお薬の吸収が悪くなる,胃の粘膜を荒らすことも少ないお薬(漢方薬など),糖尿病の血糖値を下げる薬,食欲を増進させる薬,吐き気を抑える薬などがあります。

「食直前」は,食事の直前にのむことをいいます。お箸を持つ直前にのんでください。「食直前」にのむお薬としては,食後の過血糖改善剤のグルコバイ,ベイスンや,速効型血糖降下剤のグルベスやスターシスなどがあげられます。これらのお薬は,食後に飲んでも血糖値の上昇を抑えるのが間に合わないので,お食事の1口目の前にお薬をのむ必要があります。

5.錠剤を割ってのんだり,カプセルをはずしてのんでも良い?

錠剤やカプセルの中には,ゆっくり溶けるように特殊な加工がしてあるものがあります。半分に割る線(割線)があっても,デザインの線であって割ってはいけないお薬もあります。このようなお薬を,砕いたり割ったりしてのむと,一気にお薬が溶けだして,副作用を引き起こす可能性があります。

お薬の特殊な加工には,糖衣錠・フィルムコート錠や腸溶錠・徐放性錠などがあります。

糖衣錠・フィルムコート錠は,薬がにがいため,糖衣錠は外側を砂糖で,フィルムコート錠は高分子物質で薄く表面を施した錠剤です。苦みやいやな臭いをコーティングして,のみやすくしたり,湿気・光に対する安定性を向上させる目的があります。このようなお薬を砕いたり,半分に割ると割れた部分から薬が溶けだし,苦くてのめなくなることがあります。

腸溶錠・徐放性錠は,胃は溶けずに腸で溶けるように加工したり,薬が少しずつゆっくり溶けるように特殊加工したお薬です。これらのお薬を,噛んだり砕いたりすると,副作用が生じて危険なこともあります。

反対に,特別な加工をしていないお薬もあります。裸錠といわれるものですが,割っても砕いても効果に影響はありません。これらは,見た目では判別ができないので,必ず薬剤師に相談するようにしてください。